最近かなりの円安。僕が来た2年前あたりと比べるとほぼ20円ほど安くなっているのではないか。
さて、こういうので得をするのは日本からの旅行者ではなくて、米向けに輸出をしている企業であったり為替でかせいでたりする人たちなのかもしれないが、かつての様に企業は貿易摩擦を気にしないといけない時代なのだろうか?
個人的な意見として、昔のことは教訓としておいておくだけでよく、今やそれほど気にする問題ではないのではないかと思っている。
現在の米は、西も東もかなり景気がいい状況である。確かに車産業においては日本にトップの座を奪われそうな勢いだが、時代の要請から誰も気にしていないのが実情ではないだろうか。
つまり、一例としてT社は今のところ米における車販売において、環境面とコスト面からも人々に受け入れられており、ガソリン高からの追い風も受けて、他社よりも少し先行しているだけであるってこと。当然、将来的にその座を奪われる可能性も残している。
ただし現在では、昔と違い現地での生産を増やしたこと、社会貢献として雇用を拡大したこと、いろんな団体への寄付金等により、アメリカ社会で受け入れられるていると言うのが実情だ。日本だと偽善と揶揄されるような行為であっても、こちらでは自らを正当化するためには必要不可欠なものなのです。(アメリカ)社会全体の利益で考えれば、そういった社会貢献費用は払って当然の対価だと考えられてるのかも。しかも、誰の目にも留まる形でやってますっていうのが重要。影で支えてますってのは、分かる人にはいいがそうでなければ分からないので。
例えば、僕がいる大学のアメフトコートや体育館にはT社の広告がデカデカと貼ってあるのだけれど、裏を返せば大学スポーツ選手の育成に使われてるってことなんだ。ここらは日本にいると分からないかもだけれど、アメリカのほとんど全てのスポーツは商業的に見合うかが一つの大きな問題になっている。つまり、スポーツは熱血や根性でやるものではなくて、飽くまでも映画やゲームと同じで時間つぶしのためのエンターティメントの占める割合がかなりでかい。一人のビッグ選手が窮地を救うこともあるが、それよりもいかに地域密着で関連グッズが売れるか、観戦チケットが売れるか、ESPNで放送してくれるか、カジノで賭けてくれるか、ってのが大きいわけ。これらの収益はメジャースポーツがほとんどかもだけれど、マイナースポーツにも分配されてると思う。こういったことから、選手が活動するのに必要な資金援助が出来るわけ。今いる大学はPac10と言われる太平洋沿いのリーグに所属しているのだけれど、北はワシントン、東はアリゾナまでを含んでいるため、軽く日本の北から南くらいの広さになる。移動も当然電車ではなく、バスやら飛行機になるのでその費用だけでもままならない。しかもハワイ大なんて・・・。
またスポーツだけでなくT社は、大学や研究室などの研究費などもかなり援助していると聞く。実際に地下にある研究室の筆頭援助団体らしい(NIHや他の米企業よりも多いってこと。教授は中国人で最短でテニュア取った人なのですごく優秀)。それらの研究費の一部は学生へのサポート*1も含まれているはず。
企業からすれば共同研究でうまくいけば儲けもんだけど、将来優秀な学生がその企業にくること等も含めた投資も兼ねてるのではないかな。
つまり、今や日本企業をたたくのは既に自分ら(アメリカ社会)の利益にかなっていないってこと。
そこらを考えれば、貿易摩擦の損得は自ずと分かるんじゃないかなと思う。で、かつての轍を踏みそうなのが中国なんじゃないかな。今や何でもかんでも"Made in China"なんだよね。
ただ日本企業に対して思うのは、確かに車産業(H社のもかなりの人気だ。ここらだと一番走ってるのを見るくらい。N社のはIブランドをよく見るの。F社のSバルもよく見る。M社はたまーに)は頑張ってる気がするのだが、日本のお得意の電子産業は押され気味というか勢いが見えない。ただNintendoは別。Wiiアメリカの方が買いづらい気がする。DSはそこらにあるし充電プラグも同じなので、日本向けに売れば儲かる気がする。アジアの企業で頑張ってるのはサムソンかなとも思う(僕の携帯もサムソン製、キャリアはベライゾン)。ただし、日本ブランドは誰もが知っているっていう強みがある。まぁ、将来どうなるかは分からんが。
今やどの企業も中国に向かってるとは思うんだけれど、米においては結局、大事なのは現地の実情にあった働きかけが出来るかどうかで、親会社が日本にあるとは言え、どれだけ現地の雇用が拡大できて当たり障り無く(訴訟されないようにね)、なおかつうまくビジネスが出来るかが大事かなと思う。要するに、移民の国なので最初から何でもかんでも受け入れる土台は出来ている。後は自分らにとって都合が良いかどうか、がここの最大の問題なんです。
でも、話が二転三転するが、結局のところ米のエンターティメントと言う意味では、ゲームにしろスポーツにしろ日本企業がかなり絡んでるし、野球に関しては選手もかなり送り込んでてほんと得意客みたいなもんだと思う。かつてのように、英語が問題になることも減っているだろうから、心配されてるほど日本人の状況は悪くないと思う。地球規模で広がって行けばいいんだし、2,3世代後にはそうなるだろう。
ネットの世界については知らない。そのうちシリコンバレーの人にでも聞いてみよう。

書いたり消したりしてると取りとめがなくなった。円安はどこへやら。
とにかく、お金がなくなってきたのだが日本からの送金をためらってしまう今日この頃ってのが言いたかった。

*1:うちの学生はほぼ年間2万ドル強を教授から受けているらしい。