先端共用施設・設備ってなんだと思う?ときかれたので

僕の専門で言うと計算用のスパコン、分析用のX線解析、GCMS、NMR、とそれぞれを管理する管理者(博士号を持っていて慢心していない人物がいることが望ましい、しかしこの場合は一人を雇うよりも部署のようにして、常に切磋してる状態がいいのよね)、それにガラス職人、がいれば化学実験は何とかなる。それから専門的な工具とか(万力とかなんとか)。

それと今いる大学のうらやましい点は、日本では研究棟から離した所に液体窒素を酌む用の場所を設置しないといけないんだろうけれど、こちらは研究棟のしかも屋内(一応は地下にあたる部分だが中一階といったところか)で液体窒素を作っているから便利。土地が余ってるってすばらしい。それと実験台全てに窒素、ガス、バキュームとフローのラインが通っていて、水道からは蒸留水が常に出る。

あと日本だと高価な機械は研究室持ちで使い方を知っている学生がそのまた下の学生に使い方を教えて、いつの間にかいい加減に扱うようになって壊してしまうことが多いんだけれど、こちらはそういった専門の管理者が個人個人が機器を使えるようになったかどうかをチェックするから、正式な使い方を常に覚えることが出来、またもし壊した時もそいつの責任というのが明確なんだよね。しかも必要に応じて講習を行い、例えばNMRだと2次元とかDとか。

だからといって使うなというのではなく、壊れても直せばいいと思ってる。日本は壊すから直すのめんどくさいから使うな、となることがあって(何かあったときに責任もてないからってのが大きいのかも、あー上にたつ人って大変)、これって結構悪循環だと思う(これは社会全体にいえること、下の不祥事は上、ひいては社長責任)。
つまり、ある意味ルーチンで実験は出来るんだけど、測定を他人任せにすると、作ってるだけになって面白くない→別に俺がやらなくてもいい→やめた、になることがあるので、そこら辺どうにかすればゆとりゆとり言われてるけど何とかなるのではとも思う。